介護分野の特定技能協議会とは?加入手続きと受け入れ時の注意点

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介護分野の特定技能協議会とは?加入手続きと受け入れ時の注意点

特定技能外国人を介護施設で採用するときは、在留資格の申請や雇用契約だけでなく、「介護分野における特定技能協議会」への加入も必要です。

初めて外国人介護人材を受け入れる施設からは、次のような質問がよく寄せられます。

「特定技能協議会とは何をする組織ですか」

「外国人を採用してから加入すればよいのでしょうか」

「法人単位と施設単位のどちらで申請しますか」

「技能実習生を受け入れている場合も加入が必要ですか」

手続きを正しく理解していないと、在留資格申請や外国人材の入職スケジュールに影響する可能性があります。

この記事では、介護分野の特定技能協議会の役割、加入が必要な事業者、手続きの流れ、受け入れ時の注意点を分かりやすく解説します。

介護 特定技能協議会

介護分野の特定技能協議会とは

特定技能協議会は、特定技能外国人の適正な受け入れや保護、受け入れ機関同士の情報共有などを目的とする仕組みです。

介護分野で在留資格「特定技能」により外国人を受け入れる法人は、協議会の構成員になる必要があります。

協議会の事務局業務は、厚生労働省から委託を受けた公益社団法人国際厚生事業団が担当しています。

協議会では、受け入れ機関から提出された申請内容の確認や、特定技能外国人への巡回訪問などが行われます。

協議会への加入は、任意の業界団体に参加するのとは異なり、介護分野で特定技能外国人を受け入れるために必要な制度上の手続きです。

協議会への加入が必要な法人

介護分野で特定技能1号の外国人を直接雇用する法人は、原則として協議会への加入が必要です。

対象となるのは、例えば次のような介護事業者です。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 有料老人ホーム
  • グループホーム
  • デイサービス
  • 訪問介護事業所
  • 障害福祉サービス事業所のうち対象業務を行う事業所
  • その他、特定技能「介護」の対象となる事業所

技能実習生だけを受け入れており、特定技能外国人を雇用していない法人については、特定技能協議会への加入手続きは通常発生しません。

ただし、技能実習2号を良好に修了した外国人を、同じ法人で特定技能1号へ移行させる場合には、特定技能外国人の受け入れ法人として手続きが必要になります。

法人単位で加入するのが基本

特定技能協議会への加入は、基本的に特定技能外国人と雇用契約を結ぶ法人単位で行います。

同じ法人が複数の介護施設を運営している場合でも、施設ごとに別々の法人格があるわけでなければ、法人として申請することになります。

ただし、申請時には、特定技能外国人が実際に勤務する事業所の情報も確認されます。

法人本部だけでなく、配属予定の施設についても、対象となる介護事業を適正に運営していることが必要です。

法人内で異動を行う場合や、新しい施設へ特定技能外国人を配属する場合は、登録情報の変更や追加手続きが必要になる可能性があります。

担当者だけで判断せず、協議会事務局や登録支援機関へ事前に確認しましょう。

登録支援機関が加入するのではない

特定技能外国人の生活支援などを登録支援機関へ委託している場合でも、協議会へ加入する主体は受け入れ法人です。

登録支援機関にすべての支援業務を委託しているからといって、受け入れ法人の加入義務がなくなるわけではありません。

登録支援機関は、次のような業務を支援できます。

  • 申請手続きの案内
  • 必要書類の確認
  • 特定技能外国人への事前ガイダンス
  • 住居や生活に関する支援
  • 定期面談
  • 行政手続きへの同行
  • 日本語学習機会の提供
  • 相談や苦情への対応

しかし、外国人と雇用契約を結び、適切な労働環境を整備する責任は受け入れ法人にあります。

協議会への加入後も、登録支援機関任せにせず、施設内に担当者を置いて外国人職員の状況を確認することが大切です。

協議会加入の一般的な流れ

特定技能協議会への申請は、オンライン上のシステムを利用して行われます。

実際の申請方法や入力項目は変更される可能性がありますが、一般的には次のような流れで進みます。

1.特定技能外国人の採用計画を決める

まず、採用する外国人、勤務予定施設、業務内容、雇用条件などを決定します。

採用前には、外国人本人が特定技能「介護」の要件を満たしているか確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 介護技能評価試験に合格している
  • 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験の要件を満たしている
  • 介護日本語評価試験に合格している
  • または、対象となる技能実習2号を良好に修了している
  • 雇用条件が日本人職員と同等以上である
  • 担当する業務が特定技能「介護」の範囲内である

試験免除の対象となるかどうかは、本人の経歴や技能実習の職種によって異なります。

2.勤務予定事業所の要件を確認する

外国人を配置する事業所が、介護分野の特定技能外国人を受け入れられる事業所であるか確認します。

介護分野では、身体介護などの介護業務と、それに付随する支援業務が対象です。

単純な清掃や調理、送迎だけを担当させることはできません。

また、受け入れ可能な外国人数には、事業所の日本人等の常勤介護職員数を基準とした上限があります。

「人手が足りないから何人でも採用できる」という制度ではないため、採用前に人数枠を確認することが重要です。

3.オンラインで申請する

協議会の申請システムへ法人情報、事業所情報、担当者情報などを入力します。

入力内容に誤りがあると、確認や修正に時間がかかる場合があります。

特に、次の情報は正確に入力しましょう。

  • 法人の正式名称
  • 法人番号
  • 本店所在地
  • 代表者名
  • 担当者の氏名と連絡先
  • 介護事業所の名称
  • 事業所番号
  • 事業所の所在地
  • 提供している介護サービス
  • 特定技能外国人の受け入れ予定

登記上の法人名と、介護事業所で使用している名称が異なる場合もあります。

申請前に登記事項証明書や指定通知書などを確認し、正式な表記を使用しましょう。

4.事務局の確認を受ける

申請後、事務局が入力内容や提出資料を確認します。

内容に不足や不明点がある場合は、追加資料の提出や修正を求められることがあります。

申請しただけで直ちに手続きが完了するわけではありません。

外国人の入職日や在留資格申請の予定から逆算し、余裕を持って準備する必要があります。

5.構成員であることを示す書類を保管する

申請内容が確認されると、協議会の構成員であることを示す書類や情報が発行されます。

この書類は、在留資格の申請や更新などで必要になる場合があります。

担当者個人のパソコンだけに保存するのではなく、法人内で共有できる場所に保管しましょう。

担当者が退職した際に、ログイン情報や過去の申請内容が分からなくなるケースもあります。

法人として、次の情報を管理することが重要です。

  • 申請に使用したメールアドレス
  • ログイン情報
  • 申請年月日
  • 構成員番号などの識別情報
  • 登録した事業所
  • 変更手続きの履歴
  • 提出資料の控え

加入申請で準備しておきたい書類

申請時に必要となる書類は、受け入れ形態や申請時期によって異なる可能性があります。

一般的には、次のような資料を準備しておくと手続きが進めやすくなります。

  • 法人の登記事項証明書
  • 介護事業所の指定通知書
  • 法人番号を確認できる資料
  • 事業所番号を確認できる資料
  • 雇用契約書
  • 労働条件通知書
  • 特定技能外国人の履歴書
  • 試験の合格証明書
  • 技能実習修了を証明する資料
  • 支援計画に関する資料
  • 登録支援機関との委託契約書
  • 常勤介護職員数を確認できる資料

古い資料や、法人名・所在地が変更される前の資料を提出すると、修正が必要になる場合があります。

法人の登記、介護事業所の指定情報、雇用契約書の名称や住所が一致しているか確認しましょう。

加入申請で起こりやすいミス

法人名を略称で入力する

株式会社、社会福祉法人、医療法人などを省略したり、施設で日常的に使っている名称を入力したりすると、正式な法人情報と一致しないことがあります。

登記どおりの名称を使用しましょう。

法人本部と勤務先の住所を混同する

法人の所在地と、外国人が勤務する介護事業所の所在地は別々に確認されます。

本部住所だけを登録し、勤務先事業所の情報を入力していないと、修正が必要になる場合があります。

受け入れ人数の上限を確認していない

介護分野では、事業所単位で受け入れ可能人数を確認する必要があります。

すでに技能実習生や特定技能外国人が勤務している場合は、現在の人数も含めて確認しましょう。

雇用条件が日本人職員より低い

特定技能外国人の報酬額は、同じ業務に従事する日本人職員と同等以上である必要があります。

外国人だからという理由で、基本給や手当を低く設定することはできません。

夜勤、資格、通勤、時間外労働などの手当についても、日本人と同じ基準で適用する必要があります。

登録支援機関にすべて任せている

手続きの支援を受けることはできますが、申請内容を理解しないまま任せるのは危険です。

法人情報、勤務先、給与、支援内容などについて、受け入れ法人も最終確認しましょう。

技能実習から特定技能へ移行する場合

現在受け入れている介護技能実習生が技能実習2号を良好に修了し、特定技能1号へ移行するケースも増えています。

同じ法人で引き続き雇用する場合でも、在留資格が技能実習から特定技能へ変わるため、新たな手続きが必要です。

主な準備項目は次のとおりです。

  • 特定技能としての雇用契約
  • 労働条件の確認
  • 1号特定技能外国人支援計画の作成
  • 登録支援機関への委託または自社支援体制の整備
  • 特定技能協議会への加入
  • 在留資格変更許可申請
  • 社会保険や税務手続きの確認
  • 本人への制度説明

技能実習中と同じ施設、同じ業務で働く場合でも、雇用管理と支援の仕組みは変わります。

移行直前になって準備を始めると、在留期限までに手続きが完了しない可能性があります。

技能実習修了の半年前を目安に、本人の希望を確認して準備を始めると安心です。

訪問介護へ配置する場合は追加確認が必要

一定の条件を満たした特定技能外国人は、訪問介護などの訪問系サービスにも従事できます。

ただし、施設系サービスから訪問介護へ配置する場合は、協議会への通常加入だけでなく、訪問系サービスに関する要件や手続きも確認する必要があります。

訪問介護では、外国人職員が利用者宅で一人になる可能性があります。

そのため、次のような安全確保措置が重要です。

  • 必要な介護資格を取得している
  • 原則として一定の実務経験がある
  • 利用者と家族へ事前に説明する
  • 経験者による同行訪問を行う
  • 緊急時に事業所へ連絡できる
  • ICTを活用した相談体制を整える
  • 外国人本人の希望を確認する
  • 訪問先ごとの注意事項を共有する

訪問介護への配置を予定している事業所は、通常の受け入れより早めに準備を始めましょう。

加入後も変更手続きを忘れない

協議会への加入は、一度申請すれば何もする必要がないというものではありません。

登録内容に変更が生じた場合は、必要な手続きを行います。

例えば、次のような変更です。

  • 法人名の変更
  • 法人所在地の変更
  • 代表者の変更
  • 担当者の変更
  • 連絡先メールアドレスの変更
  • 受け入れ事業所の追加
  • 事業所名称や所在地の変更
  • 特定技能外国人の勤務先変更
  • 訪問系サービスへの配置

特に担当者の異動や退職があった場合は、協議会からの連絡を受信できなくなる可能性があります。

登録しているメールアドレスが現在も使用できるか、定期的に確認しましょう。

受け入れ後に施設が行うべきこと

協議会への加入や在留資格の許可は、外国人材受け入れのスタートにすぎません。

外国人職員に長く働いてもらうためには、入職後の教育と生活支援が重要です。

介護業務を段階的に教える

入職直後から日本人職員と同じ業務量を任せるのではなく、本人の日本語能力と経験に合わせて業務範囲を広げます。

最初は利用者の名前、施設のルール、報告方法などを学び、その後、食事介助、移動介助、排泄介助、入浴介助、夜勤などへ進みます。

日本語教育を続ける

特定技能の試験に合格していても、介護現場の専門用語や利用者の方言をすべて理解できるとは限りません。

申し送り、介護記録、事故報告、利用者との会話など、実務に合わせた日本語教育を続けましょう。

定期的な面談を行う

外国人職員は、仕事だけでなく、住居、病院、税金、家族への送金、人間関係などで悩むことがあります。

問題が大きくなってから対応するのではなく、定期面談で早めに状況を確認します。

日本人職員にも説明する

外国人本人だけに努力を求めると、職場への定着は難しくなります。

日本人職員にも、やさしい日本語の使い方、文化や宗教の違い、指導方法などを説明しましょう。

外国人職員を特別扱いするのではなく、同じ職場で働く仲間として育成する姿勢が大切です。

まとめ|特定技能協議会への加入は早めに準備する

介護分野で特定技能外国人を受け入れる法人は、介護分野における特定技能協議会の構成員になる必要があります。

加入申請では、法人情報だけでなく、外国人が勤務する介護事業所の情報も正確に確認しなければなりません。

重要なポイントは次のとおりです。

  • 特定技能外国人を雇用する法人が加入する
  • 登録支援機関に委託していても法人の加入が必要
  • 法人名や事業所番号を正確に入力する
  • 受け入れ人数の上限を確認する
  • 在留資格申請から逆算して準備する
  • 技能実習から移行する場合も新たな手続きが必要
  • 変更があった場合は登録内容を更新する
  • 加入後も教育や生活支援を続ける

中部ケア協同組合では、名古屋・愛知県を中心に、介護分野の外国人材受け入れを支援しています。

技能実習や特定技能の制度説明、受け入れ準備、日本語教育、生活支援、定期訪問、職場への定着支援まで対応しています。

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参考情報

  • 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」
  • 公益社団法人国際厚生事業団「介護分野における特定技能協議会」
  • 出入国在留管理庁「特定技能制度」
  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」