
外国人介護人材の面接では、「どんな質問をすればよいのか」「日本語力をどう確認すればよいのか」と迷うことがあります。面接を、仕事に必要な力と入職後の支援を互いに確認する場にすると、質問の目的が明確になります。
この記事では、介護施設の採用担当者に向けて、外国人介護人材の面接で確認したい5つのポイントと質問例、面接後の記録方法を紹介します。
外国人介護人材の面接は、質問と確認基準を先に決める
最初に、担当する業務、必要なコミュニケーション、入職後に教える内容を整理しましょう。「明るい」「日本語が上手」といった印象だけでは、担当者ごとに判断が変わりやすくなります。
厚生労働省は、採用選考を本人の適性・能力に基づいて行い、面接の質問を職務に必要な事項に絞って事前に決める考え方を示しています。以下の質問例は、その考え方を踏まえた施設向けの実務上の提案です。
1.介護の仕事を選んだ理由と、仕事への理解
志望動機の言い回しよりも、本人が仕事内容をどのように理解しているかを聞きます。未経験者には、経験の有無だけでなく、これから学ぶ姿勢も確認しましょう。
- 「介護の仕事に興味を持ったきっかけを教えてください」
- 「介護の仕事には、どのような業務があると思いますか」
- 「仕事を始める前に、知っておきたいことはありますか」
確認ポイント:施設側から実際の一日の流れや担当業務を説明し、想像していた仕事との違いがないか確かめます。できることと、研修が必要なことを分けて記録します。
2.日本語で理解・確認・報告する力
資格や試験の結果に加え、実際の仕事に近い短い会話で確認します。難しい言葉を使って困らせるのではなく、普段の業務で必要な伝え方を試しましょう。
- 「説明が分からなかったとき、どのように聞き直しますか」
- 「利用者さんから、分からない言葉でお願いされたらどうしますか」
- 「今お伝えした予定を、自分の言葉で説明してください」
確認ポイント:聞き取れないときに確認できるか、伝える内容を整理できるかを見ます。聞き返すことを減点の理由にせず、確認する姿勢として捉えることが大切です。面接官も短い文で一つずつ質問し、考える時間を確保します。
3.介護経験と、困ったときの相談方法
経験者には具体的な担当業務を、未経験者には困った場面での対応を聞きます。技術を一度の会話で断定せず、入職後に確認する項目を残しておきましょう。
- 「これまで担当した業務と、教えてもらいながら行った業務を教えてください」
- 「分からない作業を頼まれたら、どうしますか」
- 「仕事で困ったとき、誰に、どのように相談しますか」
確認ポイント:分からないまま作業を進めず、相談する手順を説明できるかを確認します。施設側も、教育担当者や相談先、独り立ちまでの確認方法を具体的に伝えます。
4.勤務条件の理解と希望のすり合わせ
勤務時間、休日、給与の内訳、通勤方法などは、施設側から具体的に説明します。「大丈夫ですか」だけで終えず、本人の言葉で理解した内容を確かめると、認識の違いを見つけやすくなります。
- 「この勤務時間について、確認したいことはありますか」
- 「説明した給与の内訳で、分かりにくかった部分はありますか」
- 「通勤方法や入職までの準備で、確認したいことはありますか」
確認ポイント:本人の希望、施設が対応できること、追加説明が必要なことを分けます。夜勤についても、面接での希望確認と、実際に配置できるかの判断は分けて進めましょう。
関連記事:外国人介護人材の夜勤はいつから?配置条件と注意点を解説
5.入職後の目標と必要な学習支援
将来の希望を聞くと、本人の学びたい内容と施設の教育計画をすり合わせやすくなります。資格取得や勤務期間について、確約を求める聞き方は避け、現時点の希望として確認しましょう。
- 「入職後に、まず身につけたいことは何ですか」
- 「日本語や介護の勉強で、今取り組んでいることはありますか」
- 「どのような教え方だと理解しやすいですか」
確認ポイント:口頭説明、写真付きの手順書、実演など、理解しやすい方法を聞きます。面接で把握した内容を、配属後の教育担当者に必要な範囲で共有しましょう。
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面接で避けたい質問と進め方
家族の職業、出生地、宗教、思想・信条など、職務の適性・能力と関係のない事項を質問しないようにします。国籍から性格や働き方を決めつけず、本人の回答と具体的な行動を確認しましょう。
本人から支援の相談があった場合も、必要な対応を検討することと、私生活に踏み込んで採否を決めることは分けて考えます。面接官同士で質問項目を共有し、担当者の思いつきによる質問を減らしましょう。
そのまま使える面接記録チェックリスト
面接後は、次の項目を「確認できた事実」「追加確認」「入職後の支援」に分けて記録すると、受け入れ準備につなげやすくなります。
- 仕事内容の説明と本人の理解が一致しているか
- 日本語で聞き直す・確認する・報告する様子を確認したか
- 経験済みの業務と研修が必要な業務を整理したか
- 勤務条件を説明し、本人の質問に回答したか
- 学習目標と、理解しやすい教え方を確認したか
- 施設側の教育担当者と相談先を説明したか
よくある質問
日本語の資格があれば、面接での確認は不要ですか?
資格の結果だけで確認を終えず、担当する仕事に近い会話を取り入れる方法がおすすめです。面接では把握しきれない点もあるため、入職後の教育計画と合わせて考えましょう。
未経験者には何を聞けばよいですか?
仕事内容の理解、分からないときの相談方法、学びたいことを聞きます。経験者と同じ実務経験を求めるのではなく、募集条件に合う確認項目を事前に決めてください。
面接で分かったことを受け入れ準備につなげよう
外国人介護人材の面接では、志望動機、日本語でのやり取り、経験と相談方法、勤務条件、学習目標の5つを順に確認すると、質問の目的が整理できます。施設側も仕事内容や支援体制を伝え、互いに質問できる時間を設けましょう。
名古屋・愛知で外国人介護人材の採用を検討している施設の方は、中部ケア協同組合の公式サイトをご覧ください。
参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」「採用選考の具体的な方法」(確認日:2026年10月16日)。質問例とチェックリストは、本記事の実務上の提案です。


